野生動物との共存を目指す鳥獣害コンサルティングファーム
社会的インパクト評価
社会的インパクトとは
社会的インパクトとは、短期、長期の変化を含め、当該事業や活動の結果として生じた社会的、環境的なアウトカム(変化)のことです。
獣害対策分野に限らず社会的事業の成果を論じる際、例えば「研修会を○回実施しました」「当サービスを○○県で導入しました」「当イベントには〇人の参加者が来ました」という表現が一般的かと思います。しかし、私たちのビジョンである野生動物と人間の共存を見据えたとき、私たちの事業の成果はこのビジョンがどれだけ達成できているのかに尽きるはずです。そこで、うぃるこでは社会的インパクト評価という評価学のフレームワークを用いて、事業の真の成果を見える化し、情報発信・事業の振り返り・改善に使用しています。
鳥獣害対策分野には農作物被害以外にも人身被害やインフラ被害、防疫等の幅広い課題が山積していますが、現在のうぃるこは農作物被害の対策を中心としたサービスを提供しています。そこで最終的に目指すアウトカム(社会や環境の望ましい変化)として野生動物による農作物被害の減少を設定しています。ただし、現在国から公開されている農作物被害額の集計方法によれば里山エリアの高齢化による耕作放棄地増加に伴って被害額は減少しますし、市町村担当者の知識や経験によっても被害額の把握に関する状況は変わり得ると考えています。うぃるこは公表されている被害額の推移はもちろん、いかなる成果指標を設定することが当分野の社会的インパクト評価に資するのか、事業を行いながら検討を続けています。
インパクトレポート
■NPO法人新潟ワイルドライフリサーチ(以下、Wiron)
Wironは2014年に山本麻希(弊社代表取締役)を会長として設立された団体で、主に新潟県内の獣害対策を支援していましたが、2018年5月に新設会社である株式会社うぃるこに多くの事業を移管し、現在は市民団体としてシンポジウムや市民啓発、政策提言等を行っております。Wironでは2019年に、2014年~2017年の4年間における新潟県内のサルによる農作物被害に関する社会的インパクト評価を実施しました。当評価は獣害対策業界における日本初の社会的インパクト評価の事例です(当社調べ)。
■株式会社うぃるこ
うぃるこは2018年5月に設立されました。現在、主な事業において社会的インパクト評価の視点を取り入れたアンケートを実施し市町村等の利害関係者へのフィードバックおよび事業改善のために使用しております。
またイノシシ捕獲の社会的インパクト評価を2022年度に実施いたしました。
当評価は2020年の1年間における加害イノシシおよび大人メスイノシシの選択的捕獲が与える中期的なインパクトを評価したもので、イノシシの出没および捕獲に苦慮されているすべての自治体の皆様にとって参考となる事例と自負しております。